「堂谷津の里」が環境省の自然共生サイトに認定されました

「堂谷津の里」が2024年318日に環境省の自然共生サイトに認定されました。

「堂谷津の里」は市民の結成したNPO法人が土地所有者ならびに千葉市と協働で10年あまりの年月を費やし再生した体験と学びの場です。この機会に、これまでに賜った皆様方のご支援とご協力に感謝申し上げるとともに、今後は自然共生サイトとしての価値を高める活動を続けていきますので、引き続き、ご支援・ご協力をお願い申し上げます。 

            (20243月 NPO法人バランス21

 

・・・・・・・・・・自然共生サイトとは・・・・・・・

「自然共生サイト」は、2030年までに国土の陸・海それぞれ30%以上で生態系を保全する「30by30」という国際目標を達成するため、国が新たに始めた制度です。 この制度は、生物多様性の価値を有し、さまざまな取り組みによって生物多様性の保全が図られている区域を自然共生サイトとして認定するもので、国立公園などの公的な保護地域だけでなく、民間の力も活用して生物多様性の保全を推進しようというものです。認定区域は保護地域との重複を除いて国際データベースに登録されます。

 

・・・・・・・「堂谷津の里」の概要・・・・・・・

1.場所・面積  千葉県千葉市若葉区谷当町 約10ha

2.サイトの概要 「堂谷津の里」は、都市近郊の里山環境を活かした体験と学びの場です。区域内には、ビオトープ、里山林、田んぼなど二次的自然環境に特徴的な多様な生態系が広がり、これまでに希少種を含む植物、チョウ、トンボ、両生類、爬虫類、ほ乳類、鳥類等多くの生きものの生育・生息を確認しています。無農薬の冬期湛水田ではニホンアカガエル卵塊数の増加など生物多様性の回復傾向も確認しました。また、わずか10haのひろがりの中に谷津田やビオトープ、湧水、湧水池、里山林、竹林などが連なるため、そこで行われる米づくりの体験は私たちに人と植物(イネ)の共生だけでなく人と自然の繋がりに気づく機会も提供します。「堂谷津の里」は千葉市内に残存する数少ない谷津の一つとして千葉市の谷津田等保全区域にも指定されています。

 

・・・・・・「堂谷津の里」の価値・・・・・

(生物多様性の価値に関する認定基準の適合項目)

里地里山といった二次的な自然環境に特徴的な生態系が存する場

生態系サービスの提供の場であって、在来種を中心とした多様な動植物種からなる健全な生態系が存する場

希少な動植物種が生息生育している場あるいは生息生育している可能性が高い場

 

・・・・・認定審査委員の方々のご意見・・・・・

●全体として、素晴らしい二次的自然環境を維持されており、高く評価できる。在来種を中心とした多様な動植物が生息生育している。管理やモニタリングの計画、方法も適切である。

●人の手による活動なしには維持され得ない谷津田の自然環境を、活発な利活用を伴って継続的に維持する試みには高い価値があり、大都市に隣接した位置関係を考えても、その活動の意義は明らかである。

●米作りなど里山の暮らしを伝える活動、イベントを積極的にされていることも高く評価した。NPO会員自らが、単なる体験を超えて、米づくりの担い手として水田耕作に携わっている点がユニークである。

●地下水の涵養機能への着目など、サイト全体の循環システムの解明および確立を目指している点も評価できる。

●都市近郊の谷津の保全活用を市民団体、市役所、土地所有者の協働で進めていることが評価される。企業などさらに外部の参加協力を得て幅広いパートナーシップを構築していくことが期待される。

 ●今後、現在サイトに入っていない水田や森林等も含めて活動が展開されていくことを期待する。

   堂谷津の里  上空より西方を望む    2023725日撮影

    認定サイトの情報(堂谷津の里)

 

認定書